終末格差
老後資金問題について書かれた「終末格差」(野口悠紀雄著)という本を読みました。
老後資金としていくら必要かについては、将来の年金水準や支給開始年齢により大きく変化することが書かれており、また、用いるデータによっても結論が大きく異なるので、必要資金評価の方法論についての議論を深める必要があると書かれていました。結局、いくら必要なのかはよくわからないということですかね。
また、本の中で、老後資金が足りなくなることの対策として新NISAで投資をすることは危険と書かれています。理由として以下のようなことが挙げられていました。
- 確実に儲けられる方法はない。マーケットを出し抜くことはできない。
- 1980年代のバブルのときの教訓を忘れてはならない。
- インフレになれば預金金利が上昇する。
株式投資には否定的で、効率的市場仮設を説明したうえで、市場を上回るリターンを得ることは長期的に困難であり、「確実に儲かる有利な投資など存在しない」と結論づけている点には少し違和感を持ちました。新NISAブームで一番人気があるのは個別株投資ではなくオルカンとかS&P500のインデックス投資なわけですから、インデックス投資についてはどのように考えるのか説明があっても良い気がしました。
なお老後の対策として、この本では、インターネットとAIの時代には、独学でリスキリングすることが十分に可能なので、個人ひとりひとりが、能力を維持し働き続けること、を挙げています。まあ、確かに著者は80歳を過ぎた今でも現役で執筆活動等をしているようなので、その通りのことを実践しているのでしょうが、この対策により資産を増やすのは、ほとんどの人にとってはインデックス投資で資産を増やすよりはるかに難しいのではないかと思います。ただ、リスキリング自体は大事なことだとは思うので、収入アップには繋がらないかもしれませんが、染太郎もいろいろなことに興味を持ちリスキリングを実践したいと考えています。