金利上昇とMRFの復活
新発10年物国債の利回りが上昇し、一時1.5%を超えたことをニュースで知りました。いよいよ金利のある世界がリアルになってきました。日銀がこの先も利上げを継続するという観測も強くなってきました。
さて、一昔前までSBI証券や楽天証券を含む証券会社では、証券口座に入金された現金でMRFを自動的に買付し、また、株式などを買付けたときはMRFを自動的に売却して買付代金に充当し、逆に株式などを売却したときは売却代金で自動的にMRFを買付ける、自動スイープ機能が採用されていました。
MRFとは「マネー・リザーブ・ファンド」の略で、短期公社債などの比較的安定的な資産で運用をする証券総合口座専用の投資信託です。100%元本が保証されるわけではないですが、元本割れすることはほぼなく、分配金が支払われ再投資されるので、普通預金に利息がつくのと同じような感覚で証券口座に資金を預けることができました。
MRFによる自動スイープ機能については、今でも採用している証券会社もあるようですが、SBI証券は2011年に、楽天証券は2017年に廃止となっています。低金利でMRFの運用が難しくなったことが原因と言われています。SBI証券の場合は住信SBIネット銀行との連携によるハイブリッド預金の方が金利が高かったので、こちらに移行したと記憶しています。とはいえ、銀行預金や、証券口座の「預かり金」の保証は、1000万円までです。これに対し、MRFは元本保証のない投資信託ではあるものの、同商品に託した資金は証券会社や運用会社に万一のことがあっても全額保全される仕組みになっているので安心です。特に数千万円以上の資金を持っている人にとっては、これを普通預金で安全に保持するには、いくつかの銀行に口座を作ったりする必要がありますし、資金も分散されるので管理が大変になります。証券口座でMRFが使えれば、リスク資産、無リスク資産とも一つの口座で管理ができて非常に便利です。
というわけで、金利のある世界の復活に合わせて、是非ともMRFによる自動スイープ機能を復活させていただきたいものです。SBI証券様よろしくお願いいたします!!